ポルトガル研修
新年一発目のブログ更新となりました。
本年もスタッフブログでは、コーチが感じたことをありのまま発信していきますので、更新を楽しみにしていただければと思います。
さて、私ごとですが1月9日(木)から17日(木)まで1週間お休みをいただいていました。
なぜクラブを休んでいたかというと、指導者の研修でポルトガルに行っていたからです!

今回は長野県サッカー協会の指導者研修事業としてポルトガルに行ってきました。
ポルトガルでは様々な年代の試合・練習を観たり、現地のコーチのトレーニングを受けたりと様々な経験をすることができたのですが、このブログでは、ポルトガルでの学びの中でも日本ではまだ一般化されていないが、非常に重要だと感じたことがあったので、共有させていただきます。
研修4日目にスポルティングの育成部門で選手のメンタル面をサポートしているスポーツ心理学者の方から講義を受けました。
まず、育成組織に専任のスポーツ心理学者がいることに驚いたのですが、競争が激しい中で、一流のプロサッカー選手になるためには、育成年代からメンタル面が非常に重要であることが伺えます。
講義の中で以下のようなグラフを見せられました。
このグラフが示しているのは、選手が最も良いパフォーマンスを発揮するには、緊張や興奮などのメンタル的な負荷が低すぎても、高すぎてもいけないということです。
このことは高校や大学の入試試験や、会社でのプレゼンなど、サッカー以外の場面でも同じことが言えると思います。
また、最も良いパフォーマンスを発揮できるメンタル的な負荷具合というのは選手によって異なるため、選手自身が周りの助けを借りながら、最良の状態を探していくことが必要だということもおっしゃていました。
先日まで高校サッカー選手権が行われていましたが、甲子園や箱根駅伝など学生スポーツの大会の中継で、このような言葉をよく耳にすると思います。
「厳しい練習に耐え、この舞台に辿り着きました。」
この言葉の背景には、 “厳しい練習を乗り越えなければ成果が得られない” という誰もが信じて疑わない共通認識があると考えられます。
本当にそうなのでしょうか。
厳しい練習(=長い時間とにかくたくさん練習する)をすれば高いパフォーマンスを発揮することができるのでしょうか。
厳しい練習をしてきたのだからと意気込んで、異常に興奮して力が入りすぎてしまう場合があります。
これでは最も良いパフォーマンスを発揮するメンタル状況にありません。
もっと手前のことを言えば、厳しい練習が辛くなってモチベーションが低下し、心理的な負荷が下がりすぎてしまうこともあると思います。
繰り返しになりますが大切なことは、最も高いパフォーマンスを発揮するためのメンタル状況を作ることです。
講義を受けて、日本は本来の目的を見失ってしまう危うさがあるなと感じました。
将来に多様な可能性を秘めている子どもと接する上で、メンタル面についてサポートすることは、日本ではまだ深く考えられていないことだと思い、ブログに書かせていただきました。
次回の更新もお楽しみに。
忙しい時期にも関わらず、快く研修に送り出してくれた先輩コーチたちに感謝を込めて。
ひろとコーチ